会社法と株式の関係
事業承継をするにあたって、切っても切れない関係にあるのが、株式です。
例えば、経営者からよくある株式に関する問題が以下のようなものです。
「相続財産のほとんどが株式である」
「株式が分散して、経営権が安定しない」
「子供たちに均等に株式を渡してもいいか」
そういった株式に関する問題の他にも、会社の機関に関する問題もあります。
「取締役を解任したいがどのようにすればいいのか」
「後継者をいつから取締役に登用すればいいのか」
こうした株式の取り扱いの規定や、株主総会・取締役といった会社機関の位置づけなどを決めているのが「会社法」です。
会社法は、2006年に施行された法律です。
会社法の特徴としては、1円の資本金でも株式会社が設立できるようになったことや有限会社が廃止されているなどが挙げられます。
会社法では、議決権保有割合によって株主の影響力が変わります。
特に会社の中で、株式の保有割合として重要なのが、2/3以上の株式シェアを持っているかどうかです。
これは、2/3以上の株式シェア、つまり67%以上の議決権を持っていることで、株主総会の特別決議を単独で成立させることができるからです。
株主総会の特別決議で決めなければならない特に重要な事項の一例をあげると、以下のようなものになります。
・定款の変更
・事業の全部の譲渡
・解散
したがって、経営者は自分あるいは自分の身内と合わせて2/3以上を確保しておくようにすべきです。
可能であるならば、経営者が単独で2/3以上を確保できていることが望ましいです。そうすることで、例え、周りの人がクーデターを起こしたとしても大きな問題は生じないでしょう。
このように、会社にとって株式は切っても切れない重要な要素であり、その株主の権利を決めているのが会社法なのです。
事業承継をする際には、後継者のためにも、会社のためにも、株主構成を見ながら、株式の議決権割合については、特に注意していく必要があるでしょう。
必要がある時には、他の株主から株式を買い取ることも考える必要が出てくるでしょう。